ペーパードリップの極意

毎日飲む珈琲を美味しく飲みたい!
器具はやはり、手軽で経済的な物が良い!
でも、どうやって淹れれば良いのか?いまひとつ・・・

その様な想いを抱いている方へ、私がいつも心がている事をご紹介致します。
きっと美味しい珈琲を淹れられるヒントが・・・


ペーパーハンドリップはコーヒーの抽出法のなかで、もっとも淹れる自由度が高く、淹れ方一つで、
色々な味が表現できます。豆の種類、焙煎の深浅、 粉の粒度 を比較的選びません。
お好みの味にあった、珈琲豆を用意すれば結構です。


【細口ポットを使用】
ドリップするうえで、重要なのがポットの選び方です。
ドリップでは湯を細く、静かに注ぐのが良いでしょう。
その為には、注ぎ口が十分に細くなくてはいけません 。
ヤカン等では、いくら自分で気を付けているつもりでも「円を描くように」とか「湯を乗せるように」
などという細かな動きが出来無いので、ここでは、左の写真の様なポットを使用しました。
もっとも、大人数分を淹れる場合には、あまり口が細すぎても抽出速度が遅くなるので、
人数分に合ったものを使用すると良いでしょう。
湯を沸かす時に、お湯を一度沸騰させるかどうかについては諸説あるようです。
結局のところカルキを十分に抜くために、沸騰させると良いでしょう。
カルキがもともと少ない水は、必ずしも沸騰させる必要はありません。
沸騰直前(大きめの気泡が出始めるぐらい)まで、沸かすと良いでしょう。
このとき、ポットの中の温度が90℃〜95℃程度になっていると考えて下さい。
このあたりが「やや高めの湯温での抽出」の温度です。

ドリップでは 湯温は味の決定に非常に深く関与します。
同じ抽出速度で、湯温が高ければ抽出される成分量が多くなります。
そのことによって味の構成要素が抽出温度により異なります。
苦味が比較的低温から抽出されるのに比べ、酸味は高温になってようやく十分に抽出されます。
珈琲豆の素材によって味的には異なりますが、苦味だけを活かしたいなら低温で、
酸味を活かすなら高温で、というのが抽出温度の基本となります。

ただし酸味を活かそうとして、あまり高温で抽出すると渋味も一緒に抽出されます。
逆に低温で苦味だけを抽出しようとしても、十分な抽出ができない事があります。
湯温は味を決める大切なファクターです。
よって、抽出温度だけでも、味のコントロールが自由自在になります。

【蒸らしがコクのポイント】
さて、ここからは実際にお湯を注いでいくわけですが、まず最初は少量の湯を粉全体に
染み込ませて、しばらく待つのが重要です。これは「蒸らし」と呼ばれます。
この「蒸らし」の最大の目的は「湯の通り道を粉全体に確保する」事にあります。
湯が十分染み込むことで元々多孔質の粉は膨張し「開いた」状態となって
粉の内部にまで湯が通り、同時に予熱されます。これによって効率のよい抽出が出来ます。
しかし、この時お湯を注ぎ続けてしまうと、お湯が最初にフィルターに接するまでに
通った道程が周りに比べて、お湯の流れやすい「通り道」になり「抽出ムラ」が生じます。
そこで、あらかじめ少量の湯を粉全体に染み込ませる事で、
湯の通り道がどこかに片寄ったりしない様に成ります。

蒸らしのもう一つの目的として、「予抽出」が挙げられます。
蒸らしの状態では粉に対して最小量の湯が接している訳ですから、
各成分濃度の高い抽出液が得られます。
蒸らしのために注いだお湯は粉に熱を奪われてやや低温になり、
主に苦味を中心とした味がこの予抽出時に出てき上がります。
苦味の強いもの、コクのあるものを望むなら蒸らし時間を十分に長くとるのがひとつの方法です。
蒸らし時の湯の注ぎ方の最大のポイントは、粉に注ぐのではなく、粉の上に乗せる様にしましょう。
【蒸らし完了の目安】
「粉の上にお湯が乗った」状態が、湯の染み込んでいく勢いに成って目に見えて来ます。
(表面張力+粉の膨張+発生する炭酸ガス圧など)
お湯は乗せた地点からほぼ均一に拡散し、粉全体にまんべんなくいきわたります。
逆にもし上からの注ぐお湯の力が粉の反作用を上回ると、片寄った湯の通り道が出来てしまい、
さらに粉の表面がへこんでしまう事があります。
これは、注湯の勢いが強すぎる事がよく見られる原因です。
そこでドリップポットの口の細さが重要に成ってきます。
口の太いものでは湯の勢いが強くなりますから、お湯を乗せるのは難しく成ります。
また古くなった粉を使った場合にも、粉の膨張やガスの発生が少ないためによく見られます。
粉の中央部に少量のお湯を静かに乗せます。
乗せるお湯の量は珈琲全体が染み込む程度が宜しいでしょう。

お湯が上手く粉の上に乗ると粉の表面だけで広がっていきますが、
これがフィルターに接しないように注意しましょう。
粉が膨張してきますので、膨らみ終わるとまで待ちます。
膨らみ終わるまでは30秒程度です。この頃には、表面がドーム状になります。
膨らみ終わったら、タイミングを見計らって本格的な注湯にかかります。
ごくあっさりしたものを望むなら膨らみ終わる前でも結構です。
通常は20秒前後、コクのあるものが欲しいときは30秒以上待ってもかまいませんが、
ドリッパー内の温度が下がることも考慮に入れておきましょう。(特に外気の低い時など)
一度膨らんだ粉がしぼみ始めたら、どれだけ長くともそれから30秒以内には
注湯にかかった方がよいです。
ここでも蒸らし時間の長さによって、味のコントロールが自由自在になります。

【1回目注湯時の注意】
蒸らしが終わったら、本格的な注湯に入ります。
珈琲の味を決める上で重要な段階です。いくら他の段階で気を使っても、
ここで手を抜いてしまうと、それなりのものしか出来上がりません。

お湯は粉に近い高さから出来るかぎり静かに注ぎ 粉に当たる湯の勢いを最小限に抑えます。
強く注ぐと、その勢いでドリッパー内の粉の層が、へこんでしまい湯が通る距離が短くなるため、
十分な抽出がなされなくなります。
また最悪の場合、フィルターを剥き出しにしてしまう事がありますので注意しましょう。

お湯を注ぐ位置を常に移動させる事が、ここでのポイントです。
粉の中央から静かに湯を注ぎはじめ、
湯が粉に当たる軌跡が渦巻きを描くように外周へ向けて進めます。
常に変化させつつ、なおかつ抽出ムラを作らないためにも渦巻き状に注湯すると良いでしょう。
この時、中央部はできるだけ入念に、外周部は素早く 通過するようにして、
中央部に、注ぐ湯の量が多くなる様に調節します。これは外周部に多くの湯を注ぎ過ぎると、
その部分の濾過層が薄いぶん抽出が不完全になるためです。
状態(特に鮮度)がよい豆なら、湯が注がれた点から盛り上がるように白い泡が生じます、
これを目印に生じた泡の外縁をなぞるように注ぐのがベストです。
ある程度まで縁(フィルターと粉の接するところ)に近づいたら1回目注湯終了と成ります。
(フィルターにお湯を直接当てない)
フィルターに直接当たったお湯は、成分を抽出することなくそのまま抽出液に入ります。
せっかくの抽出が不十分に成りますので注意しましょう。

【2回目以降注湯時の注意】
1回目に注いだドリッパー内の上に浮いているアク(盛り上がるように白い泡)
一緒に抽出液に入る前に2回目注湯時を開始します。
そうする事により良質の成分だけが、抽出されます。
もし、ドリッパー内のお湯が極端に少なくなり涸れてしまった場合、
せっかく浮かせておいたアクが抽出液に流れ込んでしまいます。
この泡は珈琲に含まれる渋味などの雑味を吸着している、いわゆる「アク」にあたります。
珈琲の抽出とは、すべての成分を余さず抽出することでなく、
「雑味を含まない良質の成分だけを抽出する」ことによって、
のど越しの良い最高の珈琲に仕上がるでしょう。
ですから 途中で湯を足すときはドリッパーに湯が残っているうちに行い、
抽出完了時もまだ湯が残っているうちにドリッパーを外すようにします。

【抽出後の状態】
注湯スピードで味を変化させる。
抽出時間は抽出温度と同じく珈琲の味を支配する要素の一つです。
この抽出にかかる時間はドリッパーから抽出液が出てくるスピードに依存しています。
一つは粉の粒度です。
細挽きの粉ほど抵抗が大きく流速は遅くなり、粗挽きではこの反対になります。
ドリッパー内の湯の容積も流速に影響します。
ドリッパーに1回に入れる湯の量を増やすと、フィルターの最下端での水圧の増加と
フィルターと湯の接触面積の増加のため流速が上がります。
一般に蒸らし以後の注湯は、目的の抽出液を得るまでに、2〜4回に分けて行いますが、
一回当たりの湯の量を変化させることで味のコントロールが可能です。
ただし、ここで湯温のことを忘れてはいけません。
抽出時間は抽出される成分の「量」を決定し、湯温は成分の「質」を主に決定します。
大体の感覚としては、ドリッパー内の珈琲がドリッパー側面に一定の粉の層になる様
「すり鉢状態」
であれば素材を引き出した良質の美味しい珈琲が楽しめる事と思います。

苦味を活かすには低温でゆっくり(抽出後の粉が側面に少なく底の方に溜まる状態)
酸味を活かすには高温で素早く(抽出後の粉が底に少なく側面に付着している状態)


というのが基本ですが、これを理解したうえで意図したとおりの味を作り上げるのが、
ドリップの最大の楽しみでもあり、醍醐味でしょう。

では、カップに珈琲を注いで出来あがりです。
満足のいく珈琲がはいりましたでしょうか?
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